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外国人との共生 ★★★ 国は違っても、国境線はない

最終更新: 2019年7月17日




10年ほど前、大分県内の造船所で働くフィリピン人のアラン(仮名)と知り合いました。

フィリピンに家族を残し, 来日した出稼ぎ労働者です。

歌はプロ級。母国の歌のコンテストで、数多く優勝したと言います。

同僚と暮らすアパート代と食費は会社負担とはいえ、月給は3万円と聞きました。

アパートの裏庭で作る野菜は、りっぱな食糧です。給料3万円の一部を母国に仕送りと聞き、造船所の日々の暮らしを案じました。


4年前に知り合ったスリランカ出身のマリス(仮名)は、昼間は日本語学校に通い、昨年4月からビジネス専門学校に再入学。

夕方から工場の仕事が始まり、翌朝の3時、4時まで働き、毎朝7時過ぎには起床です。

8時過ぎには学校が始まります。睡眠時間は毎日1、2時間。その強靭な体力に驚きました。そして、3年半たった今年5月、彼からの朗報に、私は感涙を流しました。

国際的な高級ホテルの就職が内定したのです。



2015年、アラブの春で130万人の大量のシリア人が逃げ惑い始めた4月、地中海ルートでヨーロッパを目指す人達の船の転覆などが報道され始めます。

人口2200万人のシリアを出国した難民は、2017年までに500万人以上。2016年の統計でも、国内難民は870万人を超えたと報道発表。


その2015年の4月から数か月すぎた8月末、ドイツ在住の友人から国際電話が入りました。難民の中に強盗やレイプを働くものが出てきて、夜間の外出は特に怖いと言います。

その年、ドイツは100万人を超えるシリア難民を受け入れています。

その背景にあるのは、日本と同じ労働者不足です。

ヨーロッパ各地は、その難民問題に今も悩みます。友人は難民が怖いと言いますが、特にドイツ、スウェーデンは難民を大量に受け入れてきました。

2016年度のドイツ連邦刑事局の発表によると、難民とドイツ人の犯罪率はほとんど差がないことを明らかにしました。

因みに2015年度の日本の刑法犯罪検挙率は外国人が5,4%で、残りの94,6%は日本人による犯罪です。外国人による犯罪で最も多いのは、不法滞在、交通違反で、重大犯罪ではありません。


最近、経済危機と政情不安が続くベネズエラは、人口の10%の400万人が国外に出ています。世界の難民数は7000万人を超えました。

2018年の世界最大の難民受入国、トルコは、640万人を受け入れています。

日本の難民受入数は、42人。在日外国人は約273万人。さまざまな理由で外国に移り住む人たちがいます。

労働者不足を補おうと、今年4月、日本政府は在留資格を改正し、アランやマリスのような外国人労働者受け入れを拡大しました。

日本政府はまた、インバウンド訪日客の獲得に力を入れています。2018年の訪日外国人は、3000万人を突破しています。かつて経験したことのない数の外国人が日本に入国し、在住しています。


大分市の新川に「ドン・キホーテ」というスーパーマーケットがあります。

買い物に行けば、いろんな外国語が飛び交っています。本当にここは日本のスーパーかと錯覚するほどです。

インバウンドらしい外国人が大量の品物を買う姿もしばしば。母国へのおみやげとして持ち帰る人もいると思われます。

日本製品がたくさん購入されます。もちろん在住外国人も毎日買い物をし、日本政府に所得税や地方税を納めています。外貨を落とし、税金を納め、日本社会に大いに貢献しています。

これまで外国人と触れ合うことの少なかった多くの日本人は、いやでも外国人と触れ合う機会が日常茶飯事になっています。

人口減の日本社会にとって、良い救い手になっている一面があります。古くは中国から仏教や漢字を借用し、文化の根幹でお世話になっています。明治になれば、西洋文明から政治、教育、経済と、これも文明にとって重要な基盤の恩恵にあずかってきました。


20世紀後半のアメリカ社会は、犯罪が増加の一途でした。ところが、1990年代になると、治安で悪名高いニューヨークでさえ、犯罪率が減少してきます。

法科大学のアンドリュー・カーメン教授はその原因を分析して、犯罪減少は移民増大にあったと結論づけています。勤勉に働く移民を複合多文化の中に招き入れることは、犯罪撲滅策として賢明な社会政策だ、と指摘しています。


現代世界は経済にしても政情にしても、一国だけでは立ち行かない現状があります。各国が手と手を取り合う仕組みを作ってきました。各国の人たちが手と手をつなぎ、「共に生きていく」、「共生」が求められています。

野や山に咲く花々は、赤や黄色、白い花、形も千差万別です。それぞれの花が、自分が一番きれいだとばかりに咲き誇っています。花にも個性があるように、国にも個性があります。

それぞれの国の文化があります。自分の国の文化を誇るように、他の国の文化も尊重しなければ、手をつなぐことはできません。地図帳に国境線が引かれていても、現実に国のあいだに「線」は引かれていません。

国は違っても、私たちは同じ人間同士です。○○人である前に、同じ人間なのです。

世界の人たちが、仲良く暮らしていきたいものです。




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