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広告や看板の気になる英語表現

最終更新: 2019年1月13日


どう見ても、「美」という漢字を書いたのだろう。わざとおもしろい漢字で人を引きつけようと思ったのか、それとも本気で書いたのだろうか。いずれにしても漢字を知っている私たちがこれを見ると、思わず「ニヤッ」としてしまう。「愛嬌」がある、と思うのは私だけだろうか。


インターネットで検索をしている時、たまたまこの写真が目に入った。特に欧米に旅行された方なら、この手のTシャツをときどき見かけたと思う。あまりの嬉しさにシャッターを押してしまう。アメリカ人の友人が話していたのを思い出す。日本滞在の数年目に、彼の母親が息子に会いに来た。息子に会いたいのと同時に、日本観光も楽しみに来日されたようだ。そして福岡の天神あたりを二人でぶらぶら歩き回るとき、お母さんがパシャパシャとカメラのシャッターを押し始めたそうだ。町の看板や広告の英語がおもしろい、おもしろいと写真を撮りまくった、と聞いた。         


個人的な話をすれば、私は「アクア」という車に乗っている。車体に「AQUA」とアルファベットで書かれている。そのAQUAを「水」と書かれていれば、私はこの車を購入しなかったかもしれない。「水」ではカッコ悪い。AQUAと書かれてはじめて、ああ、自分も「ハイブリッド」車に乗るようになったか、という気がする。日本人は横文字に弱い。同じように、間違い漢字「美」のTシャツを着る欧米人は、きっと東洋へのあこがれがあるに違いない。愛嬌ですむうちはいいのだが、すまない話もある。


フィリピン人のわが奥さんが日本に来て間もない頃、「これ、なにー!!」と騒ぎだす。某コーヒー会社のコーヒー用粉ミルクのスティックに、“Creaming Powder”と書かれてある。ingをつけるのは動詞に限るが、この場合のcreamの動詞は、「クリーム状にする、クリームを入れる」などあるが、一体どの意味にingをつけ、「~している」とか「~すること」の進行形や動名詞の意味をつけようとしているのか見当がつかない。どう考えても、coffee creamerとかpowdered creamといったコーヒーに入れる、いわゆる「ミルク」のことだと思った。当時は暇だったので、その会社にcreamingの意味を問う手紙を送ると、誠実なその会社から丁重な返事をいただいた。社内のデザイン担当の方が、「ムード」で命名されたと言う。今後その表現を変更するという丁重な回答だった。




またある時、新聞のチラシの中の某建設会社のマンション購入の募集案内に、キャッチフレーズらしく大きな文字で、”Dreams come one by one”という英語表現が目に入った。Dreams come (夢がやってくる)、と一応日本語は成立するものの、英語圏の人には何を言いたいのか伝わらない。Dreams come true「夢は実現する」と言いたかったのでは、と想像した。高価なマンションの一室を買う、その夢も実現する、当社はその夢のお手伝いができます、というキャッチフレーズなのでは、と思った。その時も時間があったので、その会社にそのことを手紙で伝えた。その時の回答は、dreams come trueという表現は当時の若い人たちに人気のバンドの名前とまったく同じになるので、わざわざdreams comeに訂正したというものだった。仕方がないという言い分だった。チラシを見かける人は英語表現をいちいち気にしない、と考えられたのだろうか。


日本全国でカタカナ外国語が氾濫し、特に英語がそのままアルファベットで堂々と使われる現状がある。英語を勉強する子供たちは、学校のテストで満点を目指し、いやたとえ嫌な英語という教科でも卒業するには勉強せざるを得ない、と頑張っている。そんな子供たちに間違った英語表現を見せたくない、と思った。手紙を会社に送ったものの、一社ごとでは埒があかない。そこで思ったのは、特に大衆の目に触れる方法といえば広告会社がある。テレビ、新聞、チラシ、街中の看板。広告などを依頼してくる会社などが英語を使用するのであれば、その英語をこちらにチェックさせていただけませんか、と手紙を送った。十数社しか送らなかったが、どの広告会社からも何の連絡もなかった。


こちらの考えるおかしな英語表現の例を示さなければ説得力に欠けると思い、例をしたためたのだが、その一例を紹介させていただきたい。



PARK: ある郊外レストランで見かけた駐車場への入り口。確かにparkには、「駐車場」という名詞がありますが、実際にはそのまま使われていません。parkとだけあれば、「公園」と理解されてしまいます。

改善案: 1.PARKING LOT 2. CAR PARK 3.PARK HERE



TOUGHNESS & STRONGLY: toughnessは名詞、stronglyは副詞、と品詞が違うものを対等に結ぶandで結び、文法的に無理な例です。「丈夫で強い」ごみ袋という意味だと思います。

改善案: 1. tough and strong 2. toughness and strength



Fashion Ring: 新聞広告の例です。それぞれの日本語が書かれていますが、英語表記があるということは、非日本人の客も対象としているかもしれません。たとえ日本人を対象としていても、英語表記ですから、Ringsと複数形のsが必要です。

Petit Necklace: Petite Necklacesとスペリングのミスと複数形のs。

Pierce & Earring: ピアスというイアリングが日本で定着していますが、pierceは動詞で「穴をあける」の意味。日本人の言うピアスは過去分詞にして、pierced earrings。また穴をあけないイアリングは、clipとかsnap-onをつけて、clip earrings。

IMPORT WATCH(BAG): importは「輸入」という名詞もありますが、名詞watchにつけるのでここは形容詞。過去分詞にすれば形容詞になります。imported watches(bags)

ただしアメリカにも、import watches のような表現が見かけられ始めています。

価格より50~30%OFF: 端が切れてしまい、写真に写っておりませんが、広告には50~30%とあります。from ~ to ~という表現は、英語では小さい数字が先。30~50%

改善案: Fashion Rings Petite Necklaces Earrings for pierced ears & not

IMPORTED WATCHES IMPORTED BAGS 30~50%OFF



Have a nice future: 右上の新聞広告です。文法的には問題ありませんが、単語の使い方が不適切な例です。確かにniceはHave a nice dayのように使われますが、後ろに来る名詞が軽い意味の時に使われ、futureのような重い名詞に使われるのは不自然です。

改善案: 1. Have a Happy Future 2. Have a Great Future

For Your TravelLife: 右下の新聞広告。見づらくて申しわけありません。lifeは名詞ですから前に置くのは名詞ではなく形容詞。例えば、a happy lifeのように。

改善案: 1. For Your Travel 2. For Your Exciting Travel

3. For Your Travel Convenience 4. For Your Unforgettable Travel



gatther(1行目): 雑貨店の店頭の看板。gather(集まる)がつづり間違い。

somenting(2行目): どう考えても、somethingのつづり間違い。また、find(見つける)のはyouではなくて、peopleで1行目と同じ主語では?主語を統一しましょう。

you a happines(4行目): 同じくyouではなくてpeopleが目的語ですが、読んでわかるのでここは省略しましょう。また、happinessもつづり間違い。不可算名詞でaは不要。

favorite and enjoy your life(5, 6行目): このfavoriteは名詞ですから、複数のs。この文から上の文と記号で切れば、上の文とのつながりがなくなり、店の客を意味するyouが使えます。

better quality(7行目): 「品質」ではなく、店の「商品」を提供しますので、provideの目的語はproductとかにしたいところです。qualityは「高級な」という形容詞で使えます。

price(8行目):priceは可算名詞ですから、pricesと複数。

改善案

the place where people gather & find something

to make them smile;

It brings happiness.

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Come, find your favorites & enjoy life.

We provide you quality products at

reasonable prices

Have a Great Time

at

店の名前


実例をいくつか紹介してみたが、ここにすべてを掲載できない。それほど外国語、特に英語が私たちの生活に氾濫している現状がある。自分の言語でないという安心感からなのか、正確な表現を求める企業は少ないのではと思ってしまう。個人的には、何も外国語を使用する理由はないと思う。長い間使われ続けた日本語だけで十分だと思う。しかし、現状は、この外国語使用の勢いを制止できないのも事実だ。
































インスタントラーメンが海外に出ていく時代が来たかと思えば、ラーメン店そのものが海外進出する時代。まさか生魚など食べまいと思えば、すし屋も海外では一般的になっている。百円ショップのダイソーは、2018年現在で26か国に店舗を持つ。世界に人気の商品といえば、ホッカイロ、ウオッシュレット、ウオークマン、アンメルツヨコヨコ、熱さまシート、サロンパス、カシオの電卓、ユニチャームの紙おむつ、と際限なく続く。日本企業はこれほど健闘してきた。わが大分県も、干しシイタケ、日田ナシはすでに海外に進出。日本酒、焼酎も健闘している。


米国が抜けても、11か国のTPP環太平洋パートナーシップ協定は2018年12月30日、いよいよ発効された。「ムード」で英語広告を出す時代ではない。海外の方たちとコミュニケーションする正確な外国語表現が求められ、ビジネスをする時代はすでに始まっている。

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